基本の大切さ

「キレイな字」と感じる字は全て同じではありません。
「キレイな字」には共通点があります。
「キレイな字」は、違い(個性)はあれど、文字の基本的なルールや法則が守られています。

デザインされた文字、さらさらと流れるような文字、書の世界では一見何と書いてあるのか読めないような作品もあります。

これらは、文字の基本が身に付いているからこそ書ける文字です。
基本が身に付いていない人のくずし文字は、勢いやインパクトで一時的に人を魅了することはあっても、その時だけです。
「型破り」は型があっての「型破り」

私は幼い頃から書を学んでおり、器用さと継続でここまできましたが、ある時壁に当たりました。
「硬筆が思うように書けない」「作品が思うように書けない」
たくさん悩み、考え、試行錯誤しましたが、たどり着いた答えは、まさかの「基礎ができていない」

お恥ずかしい話、長い間書を学んでいたので「基本ができていない」という考えにたどり着くには時間がかかってしまいました。
こんなにも長い間習ってきたことで、基本は身に付いていたのではなかったのか?
段位取得しているのに・・・入選入賞経験もあるのに・・・

どんな言い訳をしようと、現在の自分の字が今までの学習の結果であることが現実で、これが全てです。

そもそも「基本」とは何なのか?
漠然とした「字の基本」のイメージはありましたが、それさえも説明できませんでした。
説明できないということは、わかっていないということ。
私はどのような学習方法だったのか?
一体何が学べたのか?

「習字を習っていたのに字が汚い」「お手本があれば上手に書けるんだけど」という話を耳にすることは少なくありません。
これらは「基本が身に付いていなかった」ということだと思っています。

勉強もスポーツも、あらゆることは全て基本が本当に大切だと思っています。
ある程度までは、器用さやセンス、継続、要領の良さ、運や環境などでこなしていくことができます。
ですが、ある時点で基本ができていないと先に進めなくなります。

基礎ができていないと気づいてから、沢山勉強しました。
初めて知ることや考え方、学習方法などが沢山あり、目から鱗の連続。
そして私の字は数か月で上達しました。

幼い頃から長い時間をかけて学んだことも沢山あるので、これらの経験と学びを生かした指導をしたいと思っています。

でも、メインは「基本」です。