字の正誤について

「とめ・はね・はらい」や線の長短、点画をつけるか・はなすか、方向、曲線など、字の正誤について問題になることがあります。

それは、「テストや入学試験や入社試験,検定試験などの各種試験において,上記のような書き方の違いによって正誤が分かれ、評価などに影響する」場合が多いように思います。

私は下記のように分けて考えています。

  1. 字の正誤

→文部科学省・文化庁の資料

 2.読みやすさ・美しさ等から見た字

→書写・書道(古典など)

このような件で疑問が生じた場合は、まずは文化庁の資料を確認すると良いと思います。

文化庁の政策の中には国語施策があり、その中で「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」という文書があり、web公開もされていますし、書籍としても発売されています。

学校教育における漢字指導については,ほかにも下記の小学校学習指導要領解説国語編(平成20年6月 文部科学省)や文 部科学大臣政務官通知(平成22年11月30日,12月8日)において,児童生徒が書く文 1章 3 – 12 – 字を評価する場合や,大学等の入学者選抜において受験者が書く漢字を評価する場合については,「字体についての解説」を参考にすることが望ましいとされています。

小学校学習指導要領解説国語編(平成20年6月 文部科学省 一部抜粋) 〔注:学習指導要領の記述を指して〕漢字の指導の際には,学習指導要領の「学年別 漢字配当表」に示された漢字の字体を標準として指導することを示している。しかし, この「標準」とは,字体に対する一つの手がかりを示すものであり,これ以外を誤りとするものではない。児童の書く文字を評価する場合には,「常用漢字表」の「前書き」 にある活字のデザイン上の差異,活字と筆写の楷書との関係なども考慮することが望ましい。

文部科学大臣政務官通知「常用漢字表の改定に伴う中学校学習指導要領の一部改正 等及び小学校,中学校,高等学校における漢字の指導について(通知)」(平成22 年11月30日 22文科初第1255号 一部抜粋) なお,改定後の常用漢字表においても,「(付)字体についての解説」の「第1 明朝 体のデザインについて」や「第2 明朝体と筆写の楷書との関係について」の記載があることを踏まえ,児童生徒が書いた漢字の評価については,指導した字形以外の字形で あっても,指導の場面や状況を踏まえつつ,柔軟に評価すること。

文部科学大臣政務官通知「大学入学者選抜における常用漢字表の取扱いについて (通知)」(平成22年12月8日 22文科高第895号 一部抜粋) 入学者選抜において,受験者が書く漢字を評価する場合には,前記通知〔注:22文 科初第1255号〕記2「学校教育での筆写(手書き字形)の取扱いについて」のなお 書き〔注:上記引用部分〕を十分に踏まえ,適切に行うこと。

※文化庁ホームページより一部抜粋

私の考え

  1. 字の正誤

文化庁は、字に関して下記のように述べています。

・字体、それぞれの点画(漢字を構成している点と線)の数や組み合わせなど、内在している基本となる骨組みが同じ場合は同じ字体であると認められる。

・線の長短、方向、接触の有無、はらうか、とめるか、はねるか等の違いはあっても、骨組みが共通していれば同じ漢字として認められる。

私個人としては、最低限の「とめ・はね・はらい」までは正誤に入れたいところですが、確かに「とめ・はね・はらい」の許容の範囲は広く、「止めても良いし、ハネても良い」というような字も多いです。文化庁の見解としても、字の骨組みに「とめ・はね・はらい」は含まれていないんですね。

ですが、学校で正誤をつける場合、とめ・はね・はらいで×になる場合がありますよね。

そのあたりに関しては、「指導の状況や場面に応じて」「柔軟な評価を」という文化庁の表現を、「各教育機関の指導法に従う」と解釈しています。

「違う書き方をしても字として誤りではないけれど、ここではこの書き方を学びましょう」「そしてここで学んだ書き方が身についているかのテストなので、あまりにも逸脱した字はテストでは誤りとしますよ」など、そこで習ったやり方を答えとしましょう。

学校の先生によって、厳しかったりゆるかったり、というお話は良く耳にします。

 2.読みやすさ・美しさ等から見た字

私の考えとしては、

  • 字は字体(字を構成している点画の数や組み合わせ)が合っていれば誤りではない。
  • 指導する際は学習指導要領および教科書に従い、とめ・はね・はらい等においては教科書記載の形を推奨する。
  • 字形に関しては正誤ではなく、整っているか、美しさなどを基準とする。(基準は人それぞれですが)

要は、字は正解があまりガチガチに決まっているわけではなく、「構成要素が揃っていれば誤りじゃないよ」と解釈しています。でも、字としては誤りではないけれど、乱暴に書いた字は読めても読み手を不快にするし、書き手の印象も良くはならない。

そうすると、やはり「字」と「人」はなんとなく通じる部分があるなぁ、と思います。

〇か×かだけではなく、「気持ち」「印象」「思いやり」「美しさ」を大切にする。

このような事に重きを置く人と置かない人がいても、どちらも誤りではないですよね。