静かな環境でのお稽古は、理想的で心地良いものです。
周りの音が少なく、落ち着いた空間の中で筆を運ばせる時間は、集中しやすく、書に向き合うにはとても良い環境だと思います。
けれど、現実は必ずしもそうとは限りません。
教室でも、学校の授業でも、試験やオーディション、発表会やステージでも、いつも整った環境が用意されているとは限らないのが現実です。
周囲が騒がしかったり、思わぬ音が入ったり、時には集中を妨げるような状況の中で取り組まなければならないこともあります。
だからこそ、どんな環境でも集中し、自分の力を発揮できるようになることも大切だと考えています。
静かな環境でしか力を出せないのではなく、多少ざわついた中でも、自分の内側に意識を向け、やるべきことに向き合える力です。
書のお稽古は、ただ字が上手くなるためだけの時間ではありません。
周囲に左右されず、目の前の一画一画に集中し、最後までやり遂げる経験を積み重ねていくことができます。
整った環境の中で学ぶことも大切。
同時に、整っていない環境の中でも落ち着いて取り組める力を、少しずつ身につけていくことも、これから先の成長につながっていくと感じています。

