小学1年生の文字の読み書き—硬筆と毛筆、どちらをやるべき?

近隣の学校では、満開の桜の中での入学式となりました。
生徒さんたちも新しい学年となり、新しい生活が始まりました。

新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。

小学校入学時点で、どのくらい文字の読み書きができるかは、個々によって大きく異なります。
小学校では決まったカリキュラムで授業が進むので、初めのうちは個々に合わせてご自宅でサポートできたら良いかと思います。

当教室でも、低学年までのお子さまにつきましては個人差が大きいので、個々に合わせた指導を心がけています。
日本習字の教材をベースに、筆記具がうまく使えるかどうか(手や指の動かし方、色々な線)、文字の読み書き(ひらがな、カタカナ、漢字、数字)がどのくらいできるか、文の読み書きがどのくらいできるかなどにより、個々に合わせて取り組みます。
学校の課題を利用して、サポートすることも可能です。

文字を習うにあたって、毛筆か硬筆かで悩まれる方もいらっしゃるかと思います。

毛筆と硬筆は、同じ「書写」というカテゴリーですが、毛筆にも硬筆にも生かせることと、そうでないことがあります。
「毛筆は上手に書けるけど、硬筆は下手」などというお話を耳にしたことはありませんか?

毛筆と硬筆は筆記具が異なり、体の使う部分や使い方も異なります。
同じ「字を書くこと」ですが、少し違うものと考えて学ぶことが必要です。
習字を習う=字がキレイになる、完全に=ではないと思います。

しかし、毛筆と硬筆に共通すること、相互作用もあります。
それは、文字の造形理論です。
文字には形やルールがあり、この文字の造形(形やバランスのとり方)を理解していれば毛筆であれ硬筆であれ、整った文字を書くことには生かせます。
また、良くない鉛筆の持ち方が、筆を習うことで改善されることもあります。

運動面と学習面(造形理論)の両方を学び、習得することで、キレイな字を書けるようになります。

では、どっちを習わせよう?と迷っている方。

毛筆は文字数も少なく、一字一字ゆっくり書きます。
筆や墨液、半紙など、普段使わないものを使用しますので、勉強というよりお絵描きをしているような感覚で、「楽しい!」「気持ちいい!」と感じることも多いようです。
書き上げたものも、作品感がありますよね。
字を書くことに興味がないお子さまは毛筆がお勧めかな、と思います。

硬筆は勉強のイメージのようです。
もともと字を書くことが好きな方は、楽しく夢中になっています。
鉛筆は慣れた筆記具なので、整った字形を書くことに集中できます。
こだわって、完璧を目指して頑張る生徒さんもいるので、本当に感心します。

ですが、さほど字を書くことに興味がないお子さまにとっては、少しつまらないもの、と感じているような印象を受けます。
鉛筆は操作が簡単なので、ぱっぱと雑に書いてしまう傾向が強いように思います。
毛筆に比べると作品感も薄いので、達成感に欠ける印象です。
ですが、学校や他の場所で「字がキレイだね」などと言われると、とても自己肯定感が上がり、プライドも生まれ、やる気もアップするようです。

「字は人なり」といいますが、字はその人を表すと考えられています。
字を褒められると自分を褒められたような気持ちになるのではないでしょうか。
当教室では、そういった「字に秘められる道徳面」も大切に考えています。

文字って、奥か深く、とても面白いものです。
文字を学んで損となることはゼロです。

ご興味のある方は是非会いに来てください。