成功体験の大切さ|自分はできる

お教室に来ている低学年の生徒さんのお話です。

入会したばかりの頃は、なかなか落ち着かず、おしゃべりも止まらず、課題も取り組まない。
勝手に学校の宿題を始めてみたり、自分の好きな文字だけを書いてみたり。
姿勢もペンの持ち方も不安定で、すぐに寝そべってしまう。
字を書かせると、上手く書けないことを隠すように途中からわざと雑に書いてみたり(^-^;

とても可愛いものの、正直「どうしていこうかな」と思っていました。


◆ 半年かけて育った「できた」の感覚

そんな生徒さんが、半年ほどかけて少しずつ変わっていきました。

・毎月の課題に取り組める
・こちらが決めた枚数を、時間内に書ききる
・添削したポイントを直してもう一度書ける
・そして何より、字を書くことそのものを楽しんでいる——

初回の課題を提出し、級がついた頃から、目に見えて姿勢が変わってきました。


◆ 子どもは「評価される」ことで伸びる

その生徒さんを見ていて感じたのは、
やっぱり子どもは“評価されること”が嬉しいということ。

頑張った結果が形になると、
「もっとやってみよう」
「次はもっと上手に書きたい」
そういう気持ちが自然と芽生えてくるんですね。

書写の級位は比較的スムーズに上がる仕組みになっています。
大人から見ると「こんなもの?」「こんなんで?」と感じるかもしれませんが、子どもにとっては全然違います。

大きすぎる課題ばかりだと、
「どうせできない」「無理だよ」
という気持ちになってしまう。

だからこそ、最初は “成功体験を積ませること” がとても大切だと思います。


◆ 成功体験が自己肯定感を育てる

「自分はできる」
この感覚を一度でも味わうと、人は他のことにも挑戦できるようになります。

この先、勉強やスポーツ、社会生活にも自信を持って取り組めるでしょう。

反対に、「どうせダメだ」「できない」と思ってしまう子は、
成功体験と、認められる経験が足りていないだけなのかもしれません。

その意味でも、毛筆・硬筆の級位制度はとても良い仕組みです。
日本習字は昇級の基準やタイミングがよく考えられていて、
ただ「字が上手いかどうか」だけを見ているわけではありません。(と思っています)


◆ 日本習字のお教室は全国に約1万。

先生ごとに、伝えたい思いがある。

日本習字のお教室は全国に約1万あると言われています。
日本習字の理念に加えて、各教室の先生方がそれぞれの考えや指導方法で、生徒さんに寄り添っています。

その中で私が大切にしていることの一つは、
書写を通して、子どもたちに自己肯定感を積み重ねてもらうこと。

字は上手くなる。
でも、それ以上に「できた!」「認められた!」という経験が、
子どもをぐっと成長させる力になる。

これからも、そんな教室でありたいと思っています。