「どうして習字は二度書きできないの?」
生徒さんからよく聞かれる質問です。
確かに、ゲームや文字入力は間違えてもすぐやり直せます。何度でもリセットできます。
でも、習字は違います。筆と墨で書く線は1度きり。二度書きをすると線の色や形が変わり、書き出しから止めまでの流れが途切れてしまいます。
書は、時間の流れを線に封じる表現なんです。
だから習字には2つの学びがあります。
1つ目は「失敗しないための練習」
上手に書くために、努力や練習を重ね、本番に向けて力を準備することです。
これは人生でも大切な力です。
本番で最高のパフォーマンスができるようになるための、小さな心の練習になります。
2つ目は「1回で向き合う練習」
その1回の線に責任を持ち、現実を受け止め、全力で向き合うことです。
上手くいかなくても、その経験が心と手を育てます。
二度書きはできません。だからこそ、一画一画を意識し、自分の手と心で向き合うことが大切です。
失敗に向き合い、集中し、線に責任を持つ――
それが習字の面白さであり、人生で役立つ学びでもあります。
