字を丁寧に書くという意識を育てる

キレイな字を書くうえで大切なことは、「丁寧に書くこと」だと思っています。

字を見たときの第一印象は、上手かどうかよりも「丁寧に書かれているかどうか」です。
殴り書きの文字で書かれた手紙を渡されたら、少し悲しい気持ちになりませんか。
たとえ完璧に整った字でなくても、丁寧に書かれている文字からは、相手を思いやる気持ちが伝わってきて、嬉しく感じるものです。

子どもたちの字に対する姿勢は、さまざまです。

・とても丁寧に書く子
・殴り書き、適当な子
(誤字脱字も気にしない。「何となく読めればいいよね」という感覚)

学校では、書写の時間以外でノートの字を細かくチェックしたり、テストの解答用紙の文字について注意したりする機会は、なかなか多くありません。

「別に×じゃないし」
「まぁ、読めればいい」
「早く書かないと!」

そんな空気に慣れてしまうことで、字を丁寧に書くという意識が育ちにくいのかもしれません。
また、キレイな字を書くメリットを実感しにくいことも、意識が高まりにくい理由の一つだと思います。

毛筆や硬筆を習うことの大きなメリットは、「字を書くことだけに集中する時間を持てること」だと感じています。
お稽古の時間は、字を書く以外のことができません。
扱いにくく、乱暴にすればすぐ汚れてしまう毛筆で文字を書くうちに、自然と硬筆でも、丁寧で芯のある線を書くようになっていきます。

丁寧に書いた字を見せたとき、相手が喜んでくれる。
褒めてもらえる。
そして第三者から評価を受け、昇級し、上達を実感する。
そうした小さな経験が積み重なることで、字に対する意識は少しずつ変わっていきます。

そして、字が変わると、内面も変わっていく。

時間はかかります。

字を表面的にだけ見るのではなく、その日の様子や性格にも目を向けながら、内面の成長にもつながる指導を心がけています。