目標から考える練習法『逆算思考』を書写で身に付ける

将来の目標を設定し、それを達成するためのプロセスを計画する力――いわゆる 「逆算思考」
これは子どもでも大人でも、持っていて損はありません。
いや、これからの時代は 持つべき力 だと思います。
大谷翔平さんの「人生設計シート」も、似たような考え方ですよね。

参考までに、「積み上げ思考」 という考え方もあります。
「逆算思考」の反対で、目標ではなく 今にフォーカス する考え方です。
今の状況、今できること、今ある問題点――こうした意識ももちろん大切です。

私が書写の指導をしていて思うのは、単純に文字を教えるだけではないということです。
書写を通じて学べることはたくさんあり、道徳心や思考力など、生きていく上で役立つ力も身につけてほしいと思っています。

今回は、その中でも 「逆算思考」 についてのお話です。


先日、小学生の毛筆課題で「国」という字を指導しました。
書き順は以下の通りです。

  1. 「くにがまえ」の左縦画
  2. 上部の横画から折れて縦画
  3. 中の「玉」
  4. 下部の横画で閉じる

最後の横画と接する左右の縦画が、横画より下に出るように書くのですが、
子どもたちはどうしても「玉」が入らず、左右の縦画も下に出ないことがあります。

何度も練習しますが、ただ書くだけでは改善しません。
字は「見て真似て書く」だけで上手くなると思われがちですが、考えることが必要 です。

例えば、目標は 「玉をくにがまえの中に収める」 こと。
では、なぜ入らないのか?
どうすれば収まるのか?

文章にすると難しそうですが、実際はクイズやゲームのような感覚です。

  • 線の太さを変えたらどうなるかな?
  • 線の間隔を詰めてみたら?
  • くにがまえの縦線を最初から少し長くしてみるのはどう?

こうして提案したり、意見を聞いたり、ヒントを与えたりして、再チャレンジします。

「入らない…」という状況を目標に置き、プロセスを遡って計画を立て直す
これがまさに逆算思考です。

こうした簡単な思考を繰り返すことで、逆算思考は自然に身につきます。
書写を通して問題解決能力も育まれるかもしれません。
常用漢字だけでも2,136字ありますので、色々なパターンで繰り返し学ぶことができます。