日々、子どもたちの字を見ていると、
「字間が狭い」「書き出しが上や左ギリギリ」という特徴をよく目にします。
実はこれ、大人の字にも見られることのある特徴です。
筆跡心理学では、文字の中や、へんとつくりの間に生まれる空間を「開空間(気宇)」と呼びます。
この空間は、外からの情報や刺激を受け取り、また外へ送り出すための余白。
世界との距離感を表す場所だと考えられています。
この開空間が狭い字は、外からの影響に対して少し慎重で、防衛的な姿勢を持つ一方、ひとつのことに深く集中できる、職人気質な側面もあると言われています。
子どもたちの字に、この傾向が多く見られるのは、決して悪いということではありません。
子どもたちは今、世界との関わり方を学び、広げている途中にいる、ということだと思います。
成長とともに、さまざまな経験を重ね、人や社会との関わりが増えていく中で、文字の空間や字間も、少しずつ変化していきます。
人にはそれぞれ、生まれ持った資質があります。
その芯がすべて消えるわけではありません。
けれど、経験を重ねることで、考え方や行動の“余裕”や”引き出し”は、確実に増え、広がっていきます。
文字は、その過程を静かに映し出します。
書くことを通して、字だけでなく、その子自身の成長も、ゆっくり見守っていきたいと思っています。
