休むことも学びのうち——思考が育つ時間

「学び」と聞くと、つい「頑張ること」を思い浮かべてしまいます。
机に向かう。問題を解く。練習を繰り返す。
もちろん、それはとても大切です。

けれど、学びにはもう一つ、見落とされがちな時間があると思います。
それが、休む時間です。


思考には「流れ」がある

考えることは、頭の中で「組み立てる作業」です。
集めて、分析して、形にしていく。

けれど本当は、思考には流れがあります。

  • 考える(集める・分析する・組み立てる)
  • 休ませる/動かす(散歩・睡眠・ぼーっとする)
  • 整理される(脳が勝手に接続する)
  • 定着する(言葉になる・身体に落ちる)

この流れが「身につく」ということではないでしょうか。


休んでいる時間は、サボりではない

多くの人は、わかりやすいものに意識が向かってしまいがちです。
「机に向かっている=学んでいる」
「ぼーっとしている=何もしていない」

けれど、脳は休んでいる間にも働いています。
むしろ、整理や接続が起きるのは、そういう時間です。


認知能力と非認知能力の話にも似ています

最近テレビでもよく取り上げられていますが、学びには「認知能力」と「非認知能力」があると言われます。

認知能力は、計算力・読解力・記憶力など、目に見えやすい力。
非認知能力は、集中力・粘り強さ・感情のコントロール・やり抜く力など、目に見えにくい力です。

そして面白いのは、この「目に見えにくい力」が、学びの土台になるということ。

休むこと、感じること、身体を動かすこと。
そういう時間が、非認知能力を育てるとも言われています。


余白は「何もない場所」ではありません(書の世界から)

書の世界で、余白はとても大切にされます。

余白は「空っぽ」ではありません。
余白は「何もない場所」ではありません。

線が生きるための空気であり、
呼吸であり、次の一筆が生まれる場所です。

余白があるから、線は美しくなります。
余白があるから、流れが整います。

これは、学びや日常にもよく似ています。


余白がなくなると、思考は育ちにくい

最近、余白時間があるとすぐスマホを見る人が増えました。
電車の中。歩いているとき。待ち時間。食事中。
気づくとイヤフォンをして、目も耳も埋めてしまう。

便利な反面、「何もしない時間」が減っているのも事実です。

けれど、何もしない時間は、脳にとってとても大切です。
景色を見る。風を感じる。音を聞く。
それだけで、思考が整うことがあります。

ひらめきは、頑張っている最中ではなく、ふっと緩んだ瞬間に訪れることも多いのです。


子どもにも、大人にも必要な「余白」

子どもは、毎日たくさんの情報を受け取っています。
大人もまた、仕事や家事、考えることが多い日々です。

だからこそ、学びの時間と同じくらい、余白の時間も大切にしたいと思います。

休むことは、止まることではありません。
学びの流れの中にある、大切な工程です。


教室でも大切にしていること

当教室では、ただ「上手に書く」だけでなく、学びの姿勢そのものが整っていくことを大切にしています。

線が整うと、呼吸が整う。
呼吸が整うと、思考が整う。

そしてそのためには、余白が必要です。


忙しい毎日の中でも、ほんの少しだけ「余白」を作ってみてください。
お子様にも是非余白を作ってあげてください。

その余白が、思考を育てる時間になります。