字が変われば心が変わる

こんにちは。
「鈴木晶水 書の教室」でございます。

野村克也監督の言葉で

「心が変われば態度が変わる。態度が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる」 

というものがあります。 

この言葉の前に「字が変われば心が変わる」と付け足したいです。
筆跡心理学の知識を交えて言うと、 普段私たちが文字を書く時、自分が気持ちの良いと感じる大きさや長さの線を書いています。毛筆のお稽古をしていて、「もう少し縦画を長く」と言われた場合、理屈上は簡単なことだと思いますが、実際いつもより長く書こうとすると少なからず違和感を感じたり、ちょっと気持ち悪いと感じたりします。 そして、油断するとまた元の自分が心地よいと感じる長さに戻ってしまいます。 お稽古を繰り返し、もう一押しを頑張れるようになると、行動ももう一押し頑張れるようになります。

 これは線だけではなく、起筆・トメ・ハネ・ハライなどでも同様だと思います。 日本の教育現場ではじめに習う文字は文字の基本の形です。そしてこの文字の基本的なバランスが、人としても整ったバランスだと思います。お手本を見て書いていても個性というものは必ず表れてくるので、極端に逸脱しない程度に整えていきます。 

書写は古来からなされてきた伝統的教育で、それは単純に読み書きを習うということだけではなく、起筆運筆収筆からとめはねはらい、折れ、閉じる開けるなどを繰り返し練習することで、まじめで規律正しい日本人の国民性を作り上げてきたのではないかと思っています。 

書道、書の道です。「道」が付くものはやはり奥深いなぁ、と思います。