字を図形として考える


字を書くとき、「形」を意識したことはありますか。

字は、図形そのものではありません。
けれど、図形として見ることはできます。

物には「気体」「液体」「固体」があります。
気体や液体は形が定まっていませんが、固体にははっきりとした形があります。
そして、その形には必ず理由があります。

自然の一部である私たち人間が作り出したものも、もとをたどれば自然の形や力が土台になっています。
私たちは、自然な形に「美しさ」や「心地よさ」を感じます。

字は、紙の上に書かれる二次元のものです。
線や点、余白の集まりとして見ると、字の形には一定のバランスがあることが分かります。

中心の取り方、広がり方、傾き。
こうした部分を図形のように捉えることで、字は整えやすくなります。

一方で、字は絵でもあり、表現でもあります。
同じ字を書いても、書く人やその時の気持ちによって、印象は大きく変わります。

だから私は、字には図形的な側面と表現としての側面の両方があると考えています。

図形として見ることで形が整い、表現として向き合うことで、その人らしさが表れる。

その両方を行き来しながら、少しずつ自分の字を育てていく。
それが、字を書くということなのだと思います。