書写と図形の感覚

文字と図形は、実はとても密接に関わっています。

書法(文字を書く方法)には、
筆法・間架結構法・布置章法という三つの要素があります。
線の書き方、文字の形づくり、そして全体の配置。
これらが重なり合って、ひとつの「書」が成り立っています。

その中でも間架結構法は、主に楷書における造形理論で、
点画の間隔や字形、バランスの取り方などを扱う考え方です。
文字を「感覚」だけでなく、「構造」として捉える視点とも言えるでしょう。

文字における、かつて主流だった指導法ーーーお手本を見て書き、体で覚える。
この方法も、書の学びにおいて大切な一面です。
一方で、感覚だけに頼る学習は、時間がかかり、
応用が難しく感じられることもあります。

現在では、スポーツやさまざまな分野で、
感覚とあわせて理論を理解しながら学ぶ方法が広く用いられています。
書においても同じように、造形の理論を意識して学ぶことで上達の速度が上がり、多くの文字に応用できる力が身についていきます。

意識的に文字を捉える指導を通して、外形(概形)や角度、平行、等間隔、対称、中心、等分、重心、比といった、算数や幾何の要素を、実体験として学ぶことができます。
それは、机上の学習とは異なる、身体を通した理解です。

教科としての「勉強」になると、苦手意識を持つお子さまもいるかもしれません。
けれど、芸術やスポーツ、遊びなど、何かを表現し、動かし、感じることを通してであれば、学びはもっと自然で、やさしいものになります。

書くことは、感じながら、理解し、そして応用していくこと。

書は、感覚と理論が出会う場所なのだと思います。